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 光学ガラスの組成の変化

光学ガラスは、

 ①ベネチアンガラスを基にしてスイス人ギナンやドイツの光学研究者フラウンフォーヘルによって作られた古典的な「旧ガラス」、
 ②1884年カールツァイス社のAbbeとショット協働ガラス工場のSchottが共同で作り出した「新ガラス(イエナガラス)」、
 ③1939年アメリカの研究者モーレイG.W.Moreyによって開発された「新種ガラス」に分けられます。

 ここまでは良く聞く話ですが、じゃあどんなガラスなの?ということについては、屈折率が高いのに分散が低いとか、性能面でしか語られてきませんでした。
 材料面から見たら、どのような変化・進化をとげているのか、感覚で理解できるように屈折率分散グラフの上に主なガラスの構成比をプロットしてみましたので、ご参考にしてください。

 (1)旧ガラスがシンプルな素材で作られ鉛の比率で屈折率をコントロールしたが、それと反比例する分散率は制御できなかったこと、
 (2)新イエナガラスは様々な素材を加えることによって、屈折率が高くても分散を抑えた性能のガラスの開発に成功していること、
 (3)新種ガラスは環境問題もクローズアップされるなか、より高い性能を求めて抜本的に素材を入れ替えて作られていること、そのため初期段階では製造後一定期間で変質するものが発生したこと、

などがグラフから想定できますね。